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2015.01.30 Fri
『そのダサい割引戦略では、お客さんは囲い込めないのでは? という話。』




コストコを愛用している人は多いと思います。
関東11店を中心に全国で約20店舗、
世界10カ国で約650店舗を展開しています。

コストコのポイントは、
年間4,000円の会費を支払って会員になると、
広い店内にところ狭しと並ぶ幅広い商品を、
割安な価格で購入できるところです。

そして、
あのいかにも“アメリカン”な雰囲気が、
買い物ゴコロをくすぐるんですよね。


「東洋経済オンライン」にコストコの記事がありました。
『コストコは、なぜ年会費4000円を取るのか』
http://toyokeizai.net/articles/-/59216


コストコ・ホールセールの直近の決算を見ると、
2014年9〜11月期(第1四半期)の売上高は、
前年同期比7%増、利益は17%も増加しました。

項目を見てみると、
【売上高】1102億ドル(約13兆円)
【会員収入】24億2800万ドル(約2900億円)
【仕入原価】984億5800万ドル(約11兆6000億円)
【販管費】117億5400万ドル(約1兆3800億円)

ここに経費6300万ドル(約7400億円)が加算されます。
これらを換算して、営業利益を算出すると、
32億2000万ドル(約3800億円)になります。

ここから何が読み取れるかというと、
会費収入を差し引いたら、
その利益は劇的に減ってしまうということです。
いや、それだけ会費収入の重みがあるということです。

つまり、仕入原価と経費の割合が高いということです。
この構造は危険だと言われます。
しかし、原価ギリギリまで値下げした価格設定は、
徹底的な顧客志向だとも言われています。

企業努力の結果、
高品質の商品を低価格で提供できる、
そして継続的に会員になってもらうための、
顧客サービスが徹底している。
だからこそ、口コミでの広がりが起きている、
これらが「コストコ勝利の方程式」だそうです。

これを美容室に置き換えたら、
どうなるでしょうか。

私はサロン経営者ではないので、
施術や店販商品の原価率は知りませんが、
サロン会員になれば、
例えば、
原価率9割近くまで値下げされる、
施術も、商品も。

そして年間の来店回数を勘案して、
値引額とのバランスを見計らって、
年会費を決めます。
4,000円なのか、5,000円なのか、1万円なのか。

そのお得さを明確に説明して、
納得、理解してもらえれば、
「会員になりたい」
というお客さんはいるはずです。

もちろん、
継続的な会員になってもらうために、
割引だけでなく、
厚遇接客、優先予約など幅広く会員優遇を実施します。
年に1回くらいはスタッフとの懇親会とか、
ある日だけは閉店時間を早めて、
会員さん限定の無料トリートメントデーがあるとか、
会員さんしか見られないウェブコンテンツがあるとか、
できるだけコストがかからず、
でも限定感があるサービスを付与していく。

これだけでも、ずいぶんと会員顧客との関係性は深まり、
いわゆる囲い込みになるのではないでしょうか。

どなたかが
「的確な技術があれば囲い込める!」
と豪語されていましたが、
確かにその側面はあると思います。

しかし、技術の向上なんて一朝一夕に実現できない。
そんな不確定なことに淡い期待をするより、
今できる最小限のことからはじめる、
この姿勢って大事だと思います。


お客さんが欲しいから割引する。
囲い込みたいから割引する。
割引するために商品代金の値引きを迫る。
低価格戦略のために従業員の良心に頼る。

そんなダサイ経営手法では、
その先にどんな世界が待っているかは明確です。

この会員戦略がすべてのサロンに当てはまるとは思いませんが、
コストコよりも、顧客との繋がりが深い美容室ビジネスだからこそ、
こういう方法ってハマると思うのです。

あ、すでにやってるよ!というサロンもあると思います。
近いことをしてらっしゃるサロンさんはすでにあります。
今のところ、好調だと伺いました。
彼らの今後の展開も気になるところです。


今日も、外野の私が偉そうに………。
失礼致しました。

株式会社パイプドビッツ
美歴カンパニー
美容師名鑑編集部 BirekiMagazine編集部
兼任編集長 石渡武臣