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2015.02.21 Sat
『私が経営者だったら、社員みんなに聞いておきたいこと、という話。』






3年ほど前に、いくつかのサロンにて
「技術者がビジネスパーソンとしての思考を持つ方法」
という勉強会をやらせて頂いたことがありました。

そのときのひとつの作業として、
「10年計画を立てる」
というものがありました。

10年後、自分がどんな人になっていて、
仕事の現場ではどういう目標を達成していて、
どんな10年を積み重ねているかイメージする方法です。

その10年後から遡って、今、
まさに、明日、何をするべきかを導きだす、
ま、ありきたりの方法なのですが、
この勉強会をやって、
特に若いスタッフの意識が変わったと言ってもらえました。



企業において年間の事業計画を策定するのは当然で、
3カ年計画、5カ年計画を立てるのも普通のことです。
それは事業規模の大小を問わず、実施されるべき、
と私は考えています。

美容室経営者の人たちと話していると、
そこまで計画を立てていない人がけっこういました。
私も経営者をしていたとき、
税理士さんにさんざん言われたのに、計画を作らず、
その場しのぎの経営をしていた過去を思い出します。

10年計画を立てること、
3カ年計画を立てることの意義は
幅広く色々な効用があって、
いざというときの助けになりますし、
効果をここで書いているとキリがないのですが、
ひとつの効用として、
アンカリング効果
があると思っています。

アンカリング効果とは、
乱暴な言い方をすると、
最初に示された数字に人間の意識は引っ張られる
というものです。

例えば、こんな実験があります。

2名の人に、違う問題を出します。

Aさん「以下の計算を紙もペンも、計算機も使わず、
5秒で暗算してください」
1×2×3×4×5×6×7×8


Bさん「以下の計算を紙もペンも、計算機も使わず、
5秒で暗算してください」
8×7×6×5×4×3×2×1


当然、答えは同じです。
しかし、Bさんのほうが、Aさんよりも
4倍も大きな数字を答えたそうです。
ちなみにAさんは、
計算の正解よりも10分の1の数字を答えたそうです。

ここでポイントになるのは、
最初の数字です。

1というとても小さな数字で始まる
かけ算をしたときは小さく、
8というとても大きな数字で始まる
かけ算をした場合には、
答えが大きくなるだろうという先入観。

この最初の数字を設定するのを
アンカリング
と呼ぶそうです。

船のアンカー(錨)のことです。

10年計画、3カ年計画は、
ゴールまでの段階を追うことで、
1日1日のステップを着実に追えるので、
じっくりと仕事に集中できる、
ということを目指しているのですが、
先のサロンの場合、
3年後の自分の姿、
特に今の会社での自分の姿を想像させることで、
突発的な退職を防ぐ効果もあったようです。

人間は、日々、様々な不安に苛まれます。
その不安を払拭するひとつの方法が、
この自分の先行きをイメージさせることです。

よく”キャリアパス”なんて言葉でも
同様のことを言われると思いますが、
すべての人が仕事のキャリアステップを
目指しているわけではないので、
仕事(だけ)ではなく、
自分の人生と会社の進化を、
重ね合わせてもらうことは、
とても重要なことです。

もしそのステップを見せても、
不安になってしまうようでは、
そもそもその会社に不安があります。
その場合、
どんな3年間のすればみんなは不安なく、
さらに先の人生を目指せるのか、
経営者は、その意見に耳を傾け、
会社運営計画のヒントに
すればいいではないでしょうか。

そんな社員に迎合していたら
経営なんてできないよ!

そりゃそうです。
それを迎合ではなく、
働いてもらう社員の
その人生を豊かにするための方法として、
取り入れられるというのも、
経営者としては重要な素養だと思います。

私にはできませんでしたが………。


と、今日も偉そうに、失礼致しました。

株式会社パイプドビッツ
美歴カンパニー
美容師名鑑編集部 BirekiMagazine編集部
兼任編集長 石渡武臣