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 有料 2015.04.27 Mon
『セミナーの内容が正解だと思っているところに間違いの根源がある、という話。』




美容室業界の講習って、
「あんまり興味のない」(きっと会社が金を出す)
もしくは
「技術がスゴくてなんか実感がない」(有名美容師が先生と呼ばれる)
という、やりっ放し系セミナーか、

講師が学校の先生のように、
手取り足取り教えてくれる講習か、
(だいたい複数回のコース制)

の2種類が多いような気がする。

もちろん私が知らないだけで、
ほかのパターンもあると思う。

最初に言っておきたいのだが、
これらを否定するつもりはまったくない。
(表現が否定的なだけで)

特に、やりっ放しなんていうのは、
どちらかというと、受講する側の人の、
姿勢がどうあるかがポイントなので、
発信する側を問いただそうとは思わない。
なにせ、受講者が喜ばなければ意味がないから。
そしてすべての受講者がちゃんと受けていないとも
思っていない。
しっかりと受けている人のほうが多いと思う。

ちゃんと受けている人が多いと思うからこそ……、
だからこそ、この記事を書いている。


私もこれまでやりっ放し系のセミナーを
何度もやらせて頂いた。
(繰り返しになりますが、否定してませんので)

やりっ放しにしたくないので、
「いつでも質問に答えるから連絡して!」
と必ず伝えている。

実際に、数パーセントの人からは、
ご質問がくるので、
できるだけの内容を、何度も、
超しつこく返信をしている。
(嫌がらせではない……愛情だ)


しかし、何か充たされない。
伝えたいことはたくさんあって、
それが伝わっているのか確認する術もなく、
生かされたという話も入ってこない。
(これは私の講習内容にも問題がある)


やりっ放し系でも、手取り足取り系でも、
どちらに関しても言いたいのだが、

いつもセミナーを受講されるみなさんに、
ぜひお伝えしておきたいことがある。


「セミナーは仮説であって、正解ではないということ」


「人を殺せば捕まる、裁かれる」
というのは正解である。
「放漫経営をすれば破綻する」
これも正解である。

しかしそんなセミナーはない。
”正解”とはみんなが知っているので、
セミナーなんかにはならない。

誰かが成功した話を講演してくれるのは、
それがまだその人しか実践できていない
「仮説」
だからこそ、意味があるのだ。

「仮説」を創れる人たち(講師)は、
チャレンジャーであって、
いつも成功するステージの近くにいる。

だから、
セミナーの内容はある意味で仮説なのだ。

だから、受講する人たちには、
その仮説にチャレンジして欲しい。


「具体的にどうすればいいんですか?」
という質問ではなくて、

「私はこう思いますが、どうですか?」
というその仮説に対論を提示してみるべきだ。
もっとカジュアルに議論をすべきなのだ。

議論するからこそ、
その仮説は自分にも深く理解できるものになり、
場合によっては仮説よりも、より良い方法が、
その場で生まれるかもしれない。

それは講師にもプラスになるはずだ。

これは座学の話だけでなく、
技術においても同じだと思う。

「あの技術はイマイチだったなぁ」
とセミナー後に愚痴るくらいなら、
講師に対して対論を聞いてもらうべきだ。

何度も言う。
講師が言うことも、
あなたが言うことも、
正解ではなく仮説なのだ。

仮説同士が議論を積み重ねることで、
論理性は深まり、
よりよい回答へと近づくはずなのだ。

恐らくこれからの時代、
誰かが言ったことを鵜呑みにしたり、
誰かが言ったことをただ批判したり、
誰かが言ったことをなんとなく実行するだけでは、
生き残ることはできない。
(死ぬって意味じゃなくてね)


講習会の後に、
居酒屋で質問会をするのではなくて、
もっと議論をしよう。

概念的なことではなくて、
(業界を良くするってのが一番、嫌いです)
具体的な思考について、
具体的な論理性について、
具体的な戦略について、
具体的な技術について、
具体的な経営について、
世の中の動向について、
世の中の向かうべき方向について。

それこそ、
この市場を豊かにする、
未来の人材を創ることになると思う。



なんて、劇的に偉そうです。
気分を悪くされたら、ごめんなさい。
セミナーの仕事は減るな(笑)。


株式会社パイプドビッツ
美歴カンパニー
美容師名鑑編集部 BirekiMagazine編集部
兼任編集長 石渡武臣

『仕事ができる美容師と、できない美容師、という話。』

『ダメと思いながら、隣の席に聞き耳をたてた結果、という話。』

『美容師にとって”美歴”は使えるアプリか、使えないアプリか、という話。』