知識人と美容師を繋ぐソーシャルウェブマガジン

美歴マガジン記事一覧 » 『そもそも美容室経営者はPOSの正式名称を知っているのか?という話。』
 有料 2015.06.12 Fri
『そもそも美容室経営者はPOSの正式名称を知っているのか?という話。』




現在、うちの電子カルテは、
いくつかのPOS会社さんと技術連携を進めている。

そこでPOSのことも少し勉強をした。

そもそもPOSの日本語訳を知っているだろうか。

”point of sales” system

=販売時点情報管理

物品販売の売上実績を単品単位で集計する経営の実務手法だ。
(wikipediaより)

1970年代からアメリカにて導入され始めた。
当初の目的は、レジ担当者の不正防止や間違った売価で
販売しないようにするためだったようだ。

その歴史を振り返ってくると、
積極的に活用が進んでいるのは、
スーパーマーケット、コンビニエンスストア、キヨスク、
外食産業、ガソリンスタンド、ホテル、
ドラッグストアなどのチェーンストアが中心とのこと。

POSシステム導入の最大の利点は、

商品名・価格・数量・日時などの販売実績情報を収集して
「いつ・どの商品が・どんな価格で・いくつ売れたか」という
売れ行き動向が経営者にとって把握しやすくなる点、
(wikipediaより)

なのだ。

先日、
美容室とはまったく関係のない、
大きな企業等の経営コンサルタントをしている方と
議論をする機会を頂いたので、
POSについて聞いてみた。

するととても面白いお話をしてもらった。

「POSというのはね、消費者が成熟したから
導入できるようになったんだよね」

ん?
経営側の経営効率を高めるためじゃないの?


「昔、日本って個人商店がメインだったでしょ?
スーパーマーケットが登場してきて変わったこと。
それはなんだと思う?」

………商品の値段が安くなった?

「いや、違うんだ。
消費者が商品を知ってるようになったんだ。」

え?

「昔はさ、商店のおじさんに、
『これって何に使うの?』
って聞いて買ったもんなんだよ。
でも、今はさ、そんなことを聞かなくても、
お客さんがすでに知っている。
そして勝手に自分で選べるでしょ?」


なるほど。

その最たるものがコンビニだ。
コンビニで店員さんに、
「これって何に使うの?」
なんて聞くことはない。
だからこそ、
日本語が不慣れな外国の方でも、
レジを担当することができる、というのだ。


「POSはさ、販売時点のお客さんの属性や、
天候、曜日、時間などを総合的に収集して、
それを本部が集計・分析することで、
最適な商品流通をさせて、販売効率と
売上の向上を目指すためのシステムなんだよね」

そうか。
まさにコンビニや大規模スーパーマーケットで、
午前と午後で配送内容を変えるのは、
このPOSがあってこそなのか………。

「でもね、
その流れって今、少しずつ変わってきている。
例えばMACのパソコンを買うときに、
どれを買えば良いのかよくわからない。
だから店員さんに相談するでしょ?」

はい。

「店員さんに、自分の仕事のことや
ライフスタイルを話してみたら、
『それならこれがいいですよ』
と教えてくれる。
これって消費者の動向と言えるかな」


ん?
確かに、
これは店員さんのアドバイスだ……。

「それをそのままPOSに入力したところで、
正しいビッグデータとして活用できるのか。
もっと細かい思考や動向があるはずだよね。
だからこそ、もっと人間が感じたことを、
デジタル化して、データにして、
それを例えばPOSに入力することで、
さらに新しいデータ解析ができるようになる」


なるほど。
目から鱗。

って………、
これって美容室も同じじゃない?

ある美容室の経営者にPOSの使い方を聞いたら、

来店回数の多いお客様の分析
年齢別の購入品目の分析
再来店期間を短くするためのメニュー開発

などとおっしゃっていた。

しかし、
美容室のお客さんがメニューを選ぶのは、
年齢ではなく、性別でもなく、
来店時間でもなく、天候でもなく、
美容師さんとのカウンセリングの結果だ。

どっちのシャンプーがいい?
こっちのシャンプーが合いますよ。

これは個別の提案によるもので、
消費者動向ではなく、美容師推薦動向だ。
それをそのままPOSに入れて、
正しい消費者の購買動向と言えるのか。

施術メニューも同じだろう。
年齢や性別に関わらず、
人によってすべき施術メニューは変わる。
それを、結果だけ入力して意味があるのか。


極論、顧客の個別情報ならエクセルでも管理できる。


「今、ID-POSってのがチェーンストアでも話題になってる。
電子マネーや会員アプリが普及し始めたことで、
より個人の趣向性を把握できるようになった。
これを活用して経営戦略を立てる企業が多い。
なにせセブンイレブンは、店舗の動向だけでなく、
銀行や電子マネーなどあらゆる複合データが集まる。
すでにとても巨大な個別解析が始まっている」

なかなか上手に使ってくれる美容室さんは少ない、と
あるPOS会社の人が嘆いていた。

私も詳しくは知らないが、
現状のPOSにも、そのような機能があるのだろう。
それを使っていないのが実情かもしれない。
(そんなものは必要ないサロンも多いとは思うが)


私は美容室ビジネスのデジタル化を強く推奨している。
うちの電子カルテもその一助だ。
うちのサービスじゃなくても、
デジタル化の重要性に気付き、いち早く動いた人に、
次のステージがあるような気がしてならない。
(これは宣伝じゃないですよ、本音です)


株式会社パイプドビッツ
美歴カンパニー
美容師名鑑編集部 BirekiMagazine編集部
兼任編集長 石渡武臣




「美容室のウェブサイトに必要なのは莫大なアクセス数ではなく……、という話。」