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 有料 2015.06.16 Tue
『顧客の声はどこまで重要なのか、という話。』



こんなタイトルにすると、
中身を読まないで怒られることがある………。
私は、
顧客の声は大事だと思っている。

言葉遊びをするつもりはないが、
例えば、下記のふたつはどう違うのか。

「顧客のわがままはどこまで聞くべきか」
「顧客の要望にはどこまで応えるべきか」


「営業時間後にカットして欲しい」

これは、わがままか、要望か。
わがままと捉えれば断るかもしれない。
要望だと感じるなら受け入れるかもしれない。

顧客の声は受け取り方次第で白にも黒にもなる。

重要なのは、この声をどう翻訳するか、だと思う。


マーケティングの用語に、
「カスタマーマイオピア」というものがある。
簡単に言うと”顧客の良いなり”だそうだ。

わがままだと思っても、
(めんどくさいなぁ、と感じながら)
要望だと前向きに考えても、
この顧客を営業時間後にカットしただけなら、
それはただのカスタマーマイオピアになる。

おいおい、そもそもさ、
カスタマーマイオピアで、
何が悪いのさ?
顧客の満足に繋がれば、良いことじゃないか?

という声が聞こえる。
それは本当だろうか。

営業時間後にカットしてくれたら、
その人の困った状態が解消される。
助かったぁ、と思ってくれる。
ありがたい、と感じてくれる。

が、それだけのこと。
(なんて言い方は極端だけど)

この状態は顧客のマイナスを埋めたにすぎない。
つまりプラスマイナスゼロ状態だ。
これによって来店頻度が高まったり、
単価が向上したり、店販が増えたりしない。
顧客の優越感は満たすことができかもしれないが。

満足は満たすだけではいけない。
ビジネスという側面では。
顧客の満足を溢れさせないと、
次のビジネスには繋がらない。



では、どう翻訳すれば良いのか。

それは、「なぜ、営業時間後なのか?」
という問いから始まると思う。

仕事が忙しいから、
子どもさんのお迎えがあるから、
カルチャースクールに通っているから、
ほかのお客さんと会いたくないから、
待たされたくないから………。

可能性を挙げればキリがない。
ここはコミュニケーションを取っている
美容師の腕の見せ所だ。
日ごろの会話のなかから引き出して欲しい。


もし仕事が忙しかった場合。
恐らく疲れているから、
脚のマッサージやフットケア(お湯に浸かるやつ)、
腕などのマッサージをサービスしてみる。
食事が済んでいない可能性があるから、
近所からテイクアウトを提案する。
(法律に違反しなければ………)

ま、これはちょいと極端な例なのだが、
何が言いたいかというと、
顧客の声には大きなヒントが隠れていて、
顧客からの要望、わがまま、ニーズを上回る、
感動する(感情を動かす)
サービスの提供が必要ということだ。

つまり、
めんどくさい顧客の声が聞こえてきたら、
それを手間と感じるのは仕方ないので、
めんどくせぇなぁ、と笑い終わったら、
これをひとつのチャンスと考え直して、
その期待を裏切る提案を模索すること。

これが顧客満足度を溢れさせる、
ウワテのサービスというものだろう。

このひとひねりができるか、できないか。
この違いは、きっと小さくない。
売上が上がらないという言っている人たちは、
私が感じる範囲でしかないが、
ここに行き着かない人が多い。

これは日ごろの心の持ちようでいくらでも変えられる。
小さな変化を面倒と思うか思わないかが、
その大きな分かれ目のような気がする。



今日も、えらく普通のことを、
偉そうに失礼致しました。


株式会社パイプドビッツ
美歴カンパニー
美容師名鑑編集部 BirekiMagazine編集部
兼任編集長 石渡武臣





「美容室のウェブサイトに必要なのは莫大なアクセス数ではなく……、という話。」