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美歴マガジン記事一覧 » 『現場のモチベーションをあげるために、社長がしがちな”思いやり”、という話。』
 有料 2015.06.23 Tue
『現場のモチベーションをあげるために、社長がしがちな”思いやり”、という話。』



これは社長に限った話ではない。
団体や組織も同じく、
”長”としてまとめる立場にある人が、
陥りがちな状態のお話。

すべての”長”に当てはまるわけではないし、
多くの人は上手にされていると思う。
ただ個人的に話を聞いたことや、
自分の過去の体験から書かせて頂く。




社長とは孤独なものだ。
すべからく”長”がつくトップは、
組織の頂にいるがゆえ、
なかなか他人には相談しにくい。

そして、組織の大小に関わらず、
現場との距離感は開きやすい。


ある日、業績が伸び悩んでいることに気づく、
幹部にその原因を聞いても明確な答えがなく、
しかし、漠然と良くない空気感は感じる。

組織に流れる停滞のムード。

それはトップからすれば、覇気がない、
やる気が見えない、モチベーションが低い、
と捉えてしまう。


そんなとき、”長”の脳裏に強い想いが生まれる。

「私がすべき仕事は、
現場のテンションがあがる施策を打つことだ」

と。


そして誰にも相談できずに、
新しい戦術を、新しい提携先を、
新しい事業を、新しいルールを、
新しい文化を、新しい理念を持ち込む。



よし、これでみんなの気持ちも高まるだろう!



一方、現場では何が起こるのか。

「そういえば、先月も何か新しいこと言ってたよね」
「なんで突然、これを思いついたんだろう」
「先々月、言われたやり方もまだ定着してないのに」
「うわ、またイチから勉強しなきゃじゃん」
「色々と増えすぎて、これじゃ、本業ができないよ」
「ほら、またはじまった」
「まだ結果も出てないのに」



社長は言うのだ。

「これはみんなのために考えた方法なんだ!」
「これを実行すれば上手くいくんだ!」


現場は思うのだ。

「で、結局、何を優先すれば良いの?」


新しい企画、施策を思いついてしまう、
アイデアマンなトップの多くは、
善かれと思って、方法を語る。

しかし従業員は迷う、

これは命令(業務)なのか、
ヒント(アイデア)をくれているだけなのか。


しばらく経って従業員は思う。

”あ、そういえば、あの話って、
その後、何も言われてないな”

”そうか、ただのヒントだったのか。
じゃ、いつもの仕事をしようっと”



しばらく経って経営者は思う。

”うーん、せっかくアドバイスしたのに、
その結果報告がないなぁ”

”いや、報告が来るまで待ってあげよう。
これも彼らの成長のためだ”

”お、今度は、もっと違う目線から、
アドバイスをしてあげよう”


この悲しくも切ない”想いの行き違い”。
ボタンのかけ間違い。

しかし、このボタン1つの違いは、
けっして小さなひとつではない。

経営者の苛立ちを助長するだけでなく、
経営計画の破綻へと繋がりかねない。

また、
従業員の脳内にある業務容量を重くするだけでなく、
社長の意見をないがしろにする空気感と、
自分から方法を考えださない風潮を作る。



この状態を改善する方法はいくつがあるのだと思う。
成功している企業に多く見られるのは、
交通整理ができるナンバー2や幹部がいること。
いない場合は、”長”が何を指示したのかしっかり把握し、
その経過報告を受け取ること。
そして前に言った施策を変えるなら、明確に撤回すること。

社長のアドバイスは、助言ではなくて、命令になる。
もし受け取る側が命令を受け取らないならば、もはや妄言だ。
であるからこそ、
社長自身がアドバイスだと思っていても、
経過報告と、結果判断が求められる。


もしあなたが、
”アイデアマン社長”
なんて言われていたとしたら、
それは揶揄されているかもしれないので、
ご注意ください。


今日も偉そうに失礼しました。
私こそ、ただの妄言ですので、
流して頂けますと幸いです。


株式会社パイプドビッツ
美歴カンパニー
美容師名鑑編集部 BirekiMagazine編集部
兼任編集長 石渡武臣



「美容室のウェブサイトに必要なのは莫大なアクセス数ではなく……、という話。」