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 有料 2015.06.24 Wed
『美容室のウェブサイトに必要なのは莫大なアクセス数ではなく……、という話。』



よくブログや自社サイトの話になったとき、
アクセス数が多いか、少ないか、という話になる。
あるコンサルのセミナーを受けた人が言っていたが、
「まずは目標1万PVを目指しましょう!」
とおっしゃっていたそうだ。

なるほど。
確かにPVはひとつの指標になることは間違いない。
それを設定することで、
継続的なコンテンツ配信の
励みにもなるだろうし、
どんな情報が受け入れられやすいか分析できる。

そんな流れのなかから、
ある美容室の経営者が言っていた話を思い出す。

「サイト内を回遊してもらうために、
写真点数を増やして、企画ページを増やす」

なるほど。
誰かの入れ知恵だろうか(笑)。
確かにポータルサイトなどではよくある手だ。
これによってPVがアップすることは間違いない。
色々と見てもらわないと、
その美容室の良さが伝わらないという思いもわかる。

しかしこれって美容室にとって必要なことなのか。

そもそも、
必要なのかどうかを判断するためには、
まず目的が何であるか、という前提が必須だ。

例えば、
PVを増やすことによって、
表示広告からのアフィリエイトを得ることで、
サロン内での施術以外の収益性を見込む、
というのであればPVを向上させる意味は理解できる。

ある経営者が言っていた。
「よりたくさんの人に見てもらい、
そこから少しでも来店してもらえれば……」
との思いからPVアップを狙っている、と。

もしそう考えているなら、
もし多くの人に見てもらいたいのであれば、
PVではなく、UUを増やすべきだ。

ん。
ちょっと待て。
PVやUUって何だ?
という人がいるかもしれない。
とってもざっくりと説明すると、
PVとはページビューのことで、
そのページが見られた回数のこと。
UUとはユニークユーザーのことで、
そのページを一定期間内に見た人の数を表す。


例えば、一定期間内の数字として、
PV=10でUU=5であれば、
5人のユーザーが2回ずつ閲覧した、
ということになる。
ざっくり言えば。

簡単に言えば、
PVが想定より低くても、UUが想定以上なら、
先ほどの経営者の狙いは達しているということ。

となると、
サイト内を回遊することに意味はなくなる。

さて前提条件の話に戻る。
多くの人に見てもらうことが目的だが、
その本質は何にあるのか。
それは多くの人に閲覧してもらい、
そこから来店に繋げるのが目的の本質だ。

コンテンツを回遊することと、
サロンに来店することは繋がるのか。

これにAかBか、白か黒かという決断は難しい。
確かに回遊した結果、この美容室に行こう!
と判断する人が多いことも確かだ。

しかし、ポイントになるのは、
大量のサロンスタイル写真や、
大量のキャンペーン情報などを、
無差別に発信することが
回遊してもらうことに繋がるのか。



何かの書籍を読んでいて、
とても興味深い話があった。

現代の人間のメディア接触を考えたとき、
同時に複数のメディアを使いこなしている、と。

パソコンを使っていても、
同時に複数のウィンドウが開いていることが多い。
スマホを使っていても、
LINEやTwitter、Facebook、Yahoo!、Google、
インスタグラム、写真アプリ、
乗り換え案内やワードプレスなど、
複数のアプリを同時に立ち上げて、
気分次第や状況に合わせて、瞬時に使い分ける。
目の前の現実世界も、そのウィンドウのひとつにすぎない、
ということが書いてあって、とても面白いと感じた。

この現代状況を考えてみて、何がわかるか。
それは瞬間的な判断を求めているという現実だ。

Googleの検索アルゴリズムが、
ユーザーが求めている情報にできるだけ、
すぐに辿り着けるように一致の正確性を求めていたり、
個人の手作りアイテムだけのECサイトが人気になるような
こんな現実を見ていると、
”できるだけ早く結果に辿り着きたい”
これこそ、ユーザーのニーズであることがわかる。

そのときに、
(自分には)不要なコンテンツで回遊させられるのが、
本当にユーザーのニーズなのだろうか。

スマホで見に来る人(特に女性)が多い美容室が、
回遊目的の展開で来店へ誘導できるのか。
実際は”できる”のだが、
これは相当にレベルの高い話であり、
かなりのWEBリテラシーと個人力が問われる。

私であれば、
更新頻度を高めてPVを穫るために、
写真を大量にアップしましょう、
なんでもいいからブログを更新しましょう、
TwitterやFacebookでやたらめったら宣伝しましょう、
とは言えない。

個人的な分析によると、
大量更新によってPVが増えたところで、
最終的に消費者が来店を決断するのは、
割り引きやキャンペーンだ。

ま、それでも来店してくれるだけでいい、
という経営判断もあるので否定はしないが、
その後で経営者がブツブツ言うのが、
「割り引きを使って来店した人は再来しない」
という嘆きと愚痴だ。

回遊レベルが高いユーザーは再来率が高い、
というのが私の感覚値なのだが、
その分、高いコンテンツレベルも問われる。

早く判断できるサイトにするには、
コンテンツの整備が必要になる。

自社は、自分のサロンは、自分自身は、
どんなユーザーが多くて、
そしてどんなユーザーを増やしたくて、
最終的な目的地は何なのか。

そこまでの設計をしないで
WEBコンテンツを発信し続けるのは、
東京観光に日本地図を持っていくようなもの。

いわれるがままのWEB戦略よりも、
そろそろ自分たちにマッチした、
WEB設計図を作る時期になってきていると思う。


と、素人が今日も偉そうに、
大変失礼しました。



株式会社パイプドビッツ
美歴カンパニー
美容師名鑑編集部 BirekiMagazine編集部
兼任編集長 石渡武臣




「美容室のウェブサイトに必要なのは莫大なアクセス数ではなく……、という話。」