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 有料 2015.07.07 Tue
『美容師がトップアスリートに学ぶべき、本当の”精神論”、という話。』



サッカー女子日本代表
”なでしこ”ジャパンの戦いが終わった。

サッカーをはじめスポーツ分野で、
トッププレイヤーたちはこんなことを言う。


「最後は気持ちでした」


勝利を掴んだ選手たちは言う。
そして敗北を喫した選手たちも同様だ。
「気持ちで負けた」


気持ちだけで世界のトップでは戦えない、
そんなことは言わずもがな、だ。
では”気持ち”とは何か。

諦めないでボールを追うことか、
気迫でゴールに迫ることか、
気合いで敵と競り合うことか……

確かにそういう側面もあるだろう。

体力の限界、極限状態になったとき、
身体を突き動かすのは、
精神の強さ、というのは経験的に理解できる。

しかし、もう一段、掘り下げてみたい。

強い気持ちが生み出すものは、
肉体的な強さだけでなく、
高い集中力でもある。

高い集中力は筋肉を正確に動かし、
身体に染み付いた練習と同じ動きを可能にする。

先日のワールドカップ決勝にあって、
開始16分間の悪夢は、
きっと”気持ちの問題”だったのだ。

こういう衝撃的な場面で良く言う、
「何が起きたのかわからない」
と。

”気持ち”は具体的に説明しにくいので、
何が起きたかわからないのだ。

強く持っていた気持ちが、
雰囲気や己の感情によって乱されると、
気持ちを維持することができず、
すなわち高い集中力を発揮できず、
判断の過ち、筋肉の硬直を生み出す。
これがあの4失点だったのではないか。

気持ちを取り戻し、
集中力を取り戻してからは、
少しずつ試合を取り戻しはじめた。
ただ気持ちというのはそんなに簡単なことではない。
より高い気持ちのアメリカに押し込まれ続けた。
(もちろんそもそも技術の差は大きな前提条件)


このある程度、論理的な構造を、
精神論と置き換えてしまう人がいる。
編集者もそうかもしれないし、
美容師もそうかもしれない。

私が知る技術者経営者で、
スタッフ間の問題を抱える人の多くが、
最初に「気持ち」を問題視する。
強い気持ちがあれば、売上に繋がる、
技術も向上する、人間関係も上手くいく。

いやいや、そんなことはない。
スポーツ選手の「気持ち」は、
技術や人間関係、目的意識などと
分かれたところで醸成される。
すべてを一緒くたにしない。

昨年から錦織圭選手が大躍進している。
マイケル・チャンコーチが気にしているのは、
基礎的な練習の反復と、
精神、意識の持ち方だそうだ。

冷静な意識を持つことで、
緊迫した場面でもチカラが発揮できる。
そのときに光り輝くのは、
奇跡的なプレーではなく、
ベーシックな技術だ。
それを知っているからこそ、
継続的な基礎練習と、
冷静な気持ちを維持することを意識させる。
これが錦織圭選手躍進の秘密らしい。

お店が忙しいとき、
失敗や失客、スタッフ間のギクシャクが続くなら、

マイケル・チャンコーチに言わせれば、
基礎ができていないこと、
そして厳しい場面でこそ、
気持ちを強く冷静になること、だ。
(イライラして乱されないこと!)

だからこそ、集中力が高まり、
基礎が光り輝くのだ。

美容師という職業は、
アスリートに似ている。
精神状態が結果に出やすい。

だからこそ管理する人たちは、
根性で腕立て伏せをさせるのではなく、
最初から精神論を説くのではなく、
合理的な基礎練習と、
それとは分けて考えた”気持ちの育て方”、
この2つの継続がきっと必要なのだろう。


と、
今日も、とても偉そうに申し訳ありません。


株式会社パイプドビッツ
美歴カンパニー
美容師名鑑編集部 BirekiMagazine編集部
兼任編集長 石渡武臣

次世代型電子カルテ
『美歴』

『世界のクリエイティビティの趨勢と日本の美容室の現状比較、という話。』
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