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2014.06.27 Fri
『スタイリストを美容領域のキュレーターとして捉える』
前回のコラム掲載から1ヶ月以内に、2本目のコラムが掲載できてひと安心しているモリジュンヤです。
これくらいのペースで書いていきたいと願ってやまないです。


さて今回は、
『スタイリストを美容領域のキュレーターとして捉える』
というタイトルでコラムを書いていきます。


”キュレーション”という言葉

ITの世界では2010、11年ごろから

”キュレーション”

という言葉が盛んに用いられるようになりました。
IT用語としては、
「膨大な量の情報を選別し、意味づけをする」
という意味で使われます。

また”キュレーション”を行う人のことを「キュレーター」と呼びます。
ウェブ上で年々増え続ける情報。
そしてTwitterやFacebookなどソーシャルメディアの普及により、個人でも情報発信が容易になったため、注目されるようになった言葉です。

そもそも「キュレーター」というポジションは多くの場合、美術の分野で耳にする専門職のことです。「学芸員」に近い意味合いを含みますが、単に名画解説や美術ガイドを行うだけではなく、キュレーターが主体的に展覧会を企画し、アートと時代の関わり方をデザインしていく……、そんな仕事を指します。


日々、多くのお客様とコミュニケーションをとるため、インプットとアウトプットを繰り返し、またサロンという”空間”とも密接に関係している美容師という職業は、言ってみれば”美容に特化したキュレーター”という見方ができるのではないでしょうか。

”美容のキュレーター”として捉えたときに、スタイリストにどんなことが可能なのか。「キュレーター」という存在をヒントにしながら紹介してみます。


〜「情報」のキュレーション〜

情報をキュレーションする際、考えられるステップは以下の3つに大きく分かれます。

①収集
②選別
③共有


—①収集—

情報を収集する上で一番大事なことは、
”色んな情報に触れすぎてパンクしないようにする”
こと。目に見える全ての情報を追おうとは思わないことです。

情報の見極めのための知識をインプットする

そのためには、
”どの情報が重要”で、
”どの情報は重要でないのか”
見極められるようになることが大切です。

まず、何かチェックしたい情報のカテゴリがあったら、本を読んでみたり、いくつかの記事を読んでみて、一度、集中的に触れてみます。
すると、「この領域で大事なことは、大体こんな感じかな」という、その情報カテゴリにおける相場観をつかむことができます。

一度、この相場感をつかむことができれば、あとは日々更新されていく情報を見ながら、新しいものかどうか、重要かどうかの判断が素早くできるようになります。そのことを踏まえた上で、情報を収集するための方法とツールを紹介します。


ウェブサイトの更新をチェックする

ウェブサイトやブログの更新情報は、「RSS」という形式でまとめられ配信されています。これを取得するためのツールが「RSSリーダー」です。
気になる情報を発信しているサイトがあれば、その情報を「RSSリーダー」で購読することができるので、気になる情報のチェックが容易になります。

僕は『Feedly』というツールを用いることが多いです。
「RSSリーダー」はこれ以外にもいくつかあるので、使いやすいモノを選んで使ってみてください。


ソーシャルメディアを活用する

TwitterやFacebookなどで気になる情報を発信している人は大勢います。
「この人は、気になる情報を頻繁に発信しているな」と思う人がいれば、フォローしてみて、意識的にチェックするようにしましょう。
1日の終わりにざっと投稿している内容をチェックしてみるだけでもいいかもしれません。


ニュースアプリで一般の話題をチェック

最近ではスマートフォンにニュースを届けてくれるアプリも多く登場しています。

『SmartNews』

smartnews

芸能ニュースから経済ニュースまで、多彩なジャンルのニュースを網羅しているアプリ。
綺麗なインターフェースで、読みやすい状態でニュースが提供されます。


『LINE News』

line

メッセージアプリ「LINE」を知らない人はほとんどいないと思います。
そのLINEと連携しているニュースアプリ。「3分で話題がわかる」というコンセプト通り、ニュースになっているトピックがわかりやすく紹介されています。

情報を取得するためのアプリにはいくつかの種類があります。
先ほど紹介したアプリのように、幅広く情報を扱っているものもあれば、自分の好みに合った情報を選別して送ってくれるアプリもあります。


『Gunosy』

gunosy

「エンタメ」「スポーツ」「社会」「経済」などいくつかの分野のトピックをまとめて送ってくれるアプリ。積極的にニュースの収集をしたくないという人にはこちらがオススメかもしれません。


『Vingow』

vingow

ニュース記事を集めつつ、利用者の興味にマッチする情報を提供できるよう、約50万種のキーワードタグがフォローできるアプリ。自分が気になる専門分野のニュースを集めたい人向け。


『カメリオ』

kamerio

『Vingow』と同じようにトピックやキーワードで情報をキャッチしたい人には『カメリオ』というアプリもオススメです。登録したキーワードで新しい記事が届くたびにプッシュで通知してくれます。


—②選別—

色々な情報を集めたら、その中から自分なりの基準で選別を行います。
情報を集める際の軸は、お客さんとのコミュニケーションに活きることを中心に情報収集するのが良いと思います。

お客さんとコミュニケーションをとっているうちに、仕事や趣味、興味関心、勤務先などが把握できるかと思います。そのことを覚えておいて、会話に使えそうな情報を上記の方法でチェックするようにしてみてはいかがでしょうか。

あとはスタイリストとして自分のイメージアップになりそうな情報、という軸で選んでみてもいいかもしれませんね。


—③共有—

選別が終わった情報はお客さんに共有します。
来店した際に直接、伝えてあげたり、ソーシャルメディアで発信してもいいでしょう。

ソーシャルメディア上でつながっている既存のお客さんや、潜在的なお客さんの関心をひくことができるかもしれませんし、「選別」の部分で書いたように、自分のイメージアップにつながっていくのではないでしょうか。


「美容領域を盛り上げる職種」

さて、最後にITや情報のキュレーション以外について触れたいと思います。
そもそも、キュレーションという言葉の語源は、“Cur”だと言われています。この言葉には”気をつける”、”世話をする”という意味があり、美術領域でのキュレーターは美術館において作品を管理し、展覧会を企画する専門的役割を担っています。

これをスタイリストに置き換えると、シャンプーやコンディショナーをはじめとするアイテムの管理方法に関する知識や、どのような空間にすればお客さんが快適に過ごすことができるか、といったことがスタイリストの仕事と言えるのかもしれません。

美術館のキュレーターは、その時代に合った美術館の役割を考え、その時代を生きる人が関心を持つ展示会を企画して開催します。スタイリストも、現代のヘアサロンが持つ役割を考えてみたり、人がヘアサロンに何を求めているのかを考えてみてもいいかもしれませんね。

このあたりの考え方は、カズワタベさんにインタビューしていただいた『編集者目線で再構築される美容室像』というコラムでも紹介していたりするので、こちらもご覧いただければと思います。

それでは、また次回!