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kazzwatabe
2014.06.02 Mon
「人気カフェ『factory』に見る、店舗の魅力を広げるSNSとの付き合い方とは?」 〜『factory』オーナー、西原典夫さん〜
Bireki Magazine読者のみなさん、初めまして。この度、コラムニスタをやらせていただくことになりましたカズワタベです。普段はフリーランスのプランナー/ディレクターとして、ウェブやクリエイティブに関わる様々なプロジェクトに携わっています。

月に一度更新される本コラムでは、私がこれからの時代の新しいヘアサロン運営の参考になるのでは? と思った異業種の方にインタビューをさせていただいて、その手法を紐解いていきます。

第一回は東京・渋谷で起業家やクリエイターか集まるカフェ『factory』を運営してらっしゃる西原典夫さんにお話を伺いました。私自身オープン当初から足繁く通い、時にはイベントの会場として使わせていただいています。

気づけば自然とイノベーティブな人たちが集まるようになっていった『factory』。“おもしろい人たち”が集う理由はなんなのか、インタビューを通じて解き明かしていきます。


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(カズワタベ、以下、質問者同じ)
–まず初めに、factoryのご紹介をお願いします。


(西原典夫さん、以下同、省略)
「『factory』は2011年11月24日に渋谷二丁目にオープンしたカフェです。店名の由来はアンディ・ウォーホルの『Factory』が由来となっていて、“大人のたまり場”になれるようなカフェを目指しています。

ウォーホルの『Factory』の場合はスタジオ・アトリエでしたが、僕は飲食業の経験があったのでカフェという業態にしています。
ですから、カフェではありますが、それはあくまでもベースであって、ここから色々なモノが生まれる“スペース”という意識で運営しています」



–カフェではなく“スペース”。日本語で言うと“場”ですよね。具体的に普通のカフェとどんな違いがあるのでしょうか?


「ひと言で表すと“自由”なカフェだと思います。お客さまが“やりたい”とおっしゃったことに対して、あまりNGを出すことはないですね。
昨今、Wi-Fiや電源が使えるのはそれほど珍しくはないですが、食事の持ち込みもOK、打ち合わせで長時間いてもいいですし、昼寝をしていただいても構いません(笑)。

そんな場所なので、お客さまのアイディアで始まったことも色々とあります。例えば、テラスがあるので七輪を使ってお肉を焼いたり、たこ焼きパーティをやったり、地方の名物をお取寄せしてイベントをやったこともあります。カズもお取寄せはやったよね(笑)」



–私はどら焼きをみんなで食べるイベントをやりましたね(笑)。 私自身、『factory』はオープンから通っていて、他のカフェとの違いを肌で感じてきました。先ほどおっしゃっていた“スペース”という言葉は、その特異性を上手く表現していると思います。

普通、お店のイメージにはオーナーだったり、店長だったりの個性や発想が反映されるものなんです。しかし『factory』はそれに加えて、“来る人たち”の発想がそれを形作っているように思えます。
良い意味で“スペース”に徹しているというか、どう楽しむかを、ある程度、お客さんに委ねている気持ちよさがあるんですよね。

そういった運営の仕方は、オープン前から考えていたのですか?


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「もちろんイメージはしていたのですが、正直なところ、こんなにハマるとは思っていませんでした。カズをはじめ、よく来ていただくお客さまたちが発想豊かな方が多いので、徐々に形になっていった感じです。“お客さま”というと他人行儀な感じがして、少し違っていて、“『factory』に来てくれるひとたち”と言ったほうがしっくりきますね。

もちろん飲食のお代をいただいているので、そういう意味ではお客さまなんですが、“価格にはここを自由に使う料金も含まれております”といった感じで(笑)」



–確かに普通のカフェとは明らかに客層が違って、クリエイターや起業家の割合が非常に高いイメージがあります。これは、おそらく西原さんの人柄、渋谷という立地、Wi-FIと電源が使えるという環境などの要因が重なりあって実現しているのだと思います。


「そうかもしれませんね。たまたまかもしれませんが、色々なことがうまく噛み合ってなんとか潰れずにやれています(笑)」


–潰れられたら困りますよ(笑)。
訪れる人の性質も手伝ってか、『factory』では運営に新しいウェブサービスを柔軟に取り入れているイメージがあります。具体的にはどんなツールを使っていますか?


「ツールでは主に『ユビレジ(iPadを使ったPOSレジ)』、『Coiney(クレジットカードのモバイル決済)』、『freee(クラウド型会計ソフト)』を使用しています。これらも『factory』で出会った人たちから教えてもらったり、SNSでのその人たちの投稿から情報を得たのがきっかけで導入しました。

これらのサービスを活用することで紙・ペン・電卓などが必要なくなり、業務がとても効率化されました。ウェブサイトからデータを見ることができるので、どこにいても確認できるという利便性もありますし、データがクラウド上にあるので、書類をなくしたり、マシンが壊れるといったリスクを避けられるのが一番大きなメリットですね」



–個人的にはリリースされてすぐの『Coiney』をまっさきに導入されていたのが印象的でした。西原さんって、ウェブ業界の人なんじゃないか? と思うくらい新しいサービスを知っていますよね(笑)。

いつも西原さんのTwitterを見ていて感じるのは、“情報の取得”以外に、お客さんとのコミュニケーションにも上手く使っているイメージがあります。ご本人としてはどういう感覚で使っていますか?


「確かに、Twitterはよく使っていますね。Facebookよりまめにチェックしています(笑)。

Twitter活用の仕方を具体的に言うと、オンラインの情報をオフライン(店舗)で活かしているという感じでしょうか。Twitterで見かけたことを、実際にお客さまが来店したとき、さらに話を掘り下げて、もう少し詳しく教えてもらうことが多いです。久しぶりにご来店いただいたお客さまともスムーズに会話できるのもメリットですね」



–来店と来店の間のコミュニケーションを補完しているわけですよね。来店時しか会話ができない状態と比べると、距離の近さを感じます。


「まさにそうですね。コミュニケーションのひとつの手段と言えると思います。来店時にも終始接客できているわけではありませんし」


–そうすると、やはりリピーターのお客さんが多いのでしょうか?


「はい、駅から若干離れた立地ということもあるので、ほとんどがリピーターのお客さまです。日中は近隣にお勤めの方を中心。ランチ後は、わざわざ足を運んでくださるお客さまが多いですね」


–“よく見る顔”が多いのも『factory』の特徴ですよね。
最後に、『factory』の将来像というか、理想像がどのような形なのか聞かせてください。


「難しい質問ですね(笑)。 理想は、いまのスタイルというか空気感………、自由な空間や新しいことを取り入れる柔軟さを保ちつつ、長くこの場所を存続させることです。そうすることで、店名の『factory』が表すように、この場所から色々なものが生み出されていったら最高ですね!

あとは『factory』で時間を過ごしてくれる皆さんや、その周りの人たちがハッピーになって欲しいと願っています。それは僕にとっても嬉しいことですし、そうなることに少しでも関わることができたらいいなと思います」



–私もこれからも『factory』にハッピーにしてもらいに来ますので、よろしくお願いします(笑)。本日はありがとうございました!


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いかがでしたか? カフェとヘアサロンという違う業態ではありますが、参考になる部分が少なくなかったのではないでしょうか。

特に西原さんのTwitterの活用の仕方は非常に現代的で、今まで飲食店が抱えていた「来店時しかお客さんとの距離を縮める機会がない」という課題をスマートに解決しています。ヘアサロンの場合は飲食店よりさらに来店頻度が低いので、より効果的なのではないかと思います。

また、店舗運営を円滑にする新しいサービスの導入に積極的な点も印象的でした。新しく出てきたサービスは、既存のサービスに対して明確な強み(=導入する側のメリット)がある場合がほとんどです。それは使いやすさや、価格などの面に現れますので、そういったサービスの情報は能動的にチェックするようにしましょう。

とは言え、そういったツールの使い方の上手さ以上に素晴らしいのは、『factory』のコンセプトです。カフェを“ただコーヒーを飲みに行くだけの場所”では終わらせないその姿勢は、とても革新的で、そういった雰囲気を好む人たちが自然と集まっています。

みなさんのヘアサロンは“髪を切るだけの場所”になってしまってはいませんか? 他のお店との明確な差別化を実現するヒントはここにあるのかもしれません。

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西原典夫さん
Twitter : https://twitter.com/noriprince
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