10億円の負債を抱えた赤字老舗旅館を復活させた、ITを活用した情報共有と活用


10億円の負債を抱えた赤字老舗旅館


先日、とあるテレビのニュース番組で、10億円の負債を抱え、赤字経営が続いていた老舗旅館「陣屋」がITシステムを自社開発し、有効活用することで見事に復活を遂げている話が紹介されていました。



赤字経営が続いていたことで人員削減をした結果、人手不足に。少ない人員で旅館運営ができるように、システムを開発したとのこと。

現在そのシステムは、他の旅館やホテルにも外販されており(「陣屋コネクト」)、旅館とは別の事業として成立しているとのこと。

自社で成功したモデルをビジネスにするという理想的な形ですね。
番組では、旅館を立て直した女将さんがインタビューに答えていて、とても印象的なお話をされていました。

情報のリアルタイム共有で従業員の行動が変わった


「陣屋コネクト」は、予約の管理はもちろん、従業員の顧客情報の共有がリアルタイムで行えることが特徴。


共有する情報は本当に細かいところまで行き届いて、食事に関すること(アレルギーや要望)など事前に把握できることだけでなく、

外出するお客様がどこに行って、いつ頃お戻りになるか、とか、

温泉の入り口にセンサーを置いて、入浴人数を自動で収集し、その場に行かなくてもタオルなどの替え時がわかるようにするとか、

お客様との会話の情報を自動でテキスト化して、システムに反映するとか。


ご年配のスタッフの方や、厨房スタッフの方もタブレットやスマホ片手に仕事をしている風景。


このようなシステムを開発、運用することで、

「手持ちのタブレットでリアルタイムでお客様の情報を確認できるようになり、従業員が自ら考えて、お客様のための行動を能動的に実行するようになった」

という女将さんの言葉が大変印象的でした。


こうした行動の積み重ねにより、お客様の期待を超える接客・接遇が全てのスタッフで可能になり、顧客満足度向上に結びているとのこと。


お客様から感謝の言葉をかけられ、従業員たちはさらに自分たちでもっとお客様に喜んでいただけるためにどうすれば良いか、自発的に考える。


そういった良い循環が働き、結果、業績向上が実現できているようです。


また、以前は、従業員の離職率が30%を超えていたが、現在では4%以下になったということも紹介されていました。

情報は、お客様のために即座に有効活用されて初めて生きる


「陣屋」のIT化事例は、旅館業界だけでなく、どんなサービス業界にも応用できると考えます。


もちろん美容室でも。


美歴が提供しているシステムも、まさに上記のようなことを美容室現場で実現できるように開発しています。


担当スタッフだけが把握していたような情報を、電子カルテで記録、店舗全体でリアルタイムで共有し、
スタッフ一人一人が自分のスマホでいつでもチェックし、能動的にお客様のために即座に活用する。






結果、サロン全体の顧客対応品質が向上し、スタッフ一人一人がお客様の満足度向上を体感できる世界。


サービス業のIT化、情報をアナログからデジタルに変えていくということは、
その情報を、組織全体でいかにスピーディーに有効活用できるか、が本質なのだと思います。